氏の作品


作品1

	わが故郷、広島の太田川を渡る新幹線の俯瞰写真ですね。 画面左下の山にみえる送電線がない方が良いのでは？ とのことですが、もちろんそれはない方が良いに決まっています。 しかしそこに実在するものなのですから、消したりするものではありません。 送電線はない方が良いのですが、この作品からするとそこまで目立たないので、特に作品を左右するものでもありません。 肝心の写真そのものですが、構図や列車の位置など、基本的に問題はなく、素晴らしい仕上がりだと思います。 ただ列車側面が陰っているので、もっと遅い時間帯に撮ることと、できれば500系やレールスター、ドクターイエローなど、背景と同化しない目立った色の新幹線を撮れば、完璧だと思います。

とりあえずは








作品2

携帯電話の基地局が目障りに感じるのですが、こういったものはなるべく加工せず、むしろ「写真」という呼称どおり素のままで見せたほうがいいのでしょうか。

	こちらの作品も新幹線の大俯瞰です。やはり画面下の高速道路右にあるアンテナが目障りだということですが、作品1同様、その通り邪魔です。 アンテナが目立ちますので、このような場合には画面のなかから排除するような構図を作らなくてはいけません。だとすると下記のような構図になるかと思います。

しかしながら、良く作品を見てください。線路の左側には造成中の宅地や道路などが雑然と写り込み、とてもではありませんがきれいな風景とは言えません。 これらを排除することは不可能なため、結論からいうと、ここは撮影には向いていない場所だということになります。

総評	鉄道の撮影地は編成も風景も俯瞰もすべてに言えることですが、線路が見えるからといって即そこが撮影地になるわけではなく、どのように列車が見え周りの状況はどうなのかということが重要なのです。 多少の目障りなものは構図作りで何とかなりますが、どうしようもできない場合も多々あります。そのような場所では撮影をすることを諦める勇気が必要で、その取捨選択は経験と構図力がものを言います。 ですので画面全体を見て、この場所は果たして撮影に適しているのかどうか、じっくり考えて撮影地の発掘に挑んでみてください。