是空人　氏の作品


今までは風景写真が主だったのですが、何度か鉄道写真に挑戦してみましたところ、鉄道と風景がこれほどフォトジェニックで調和することに今更ながら驚いています。震災依頼、写欲が萎んでいたところでしたが、鉄道写真にはまってしまいそうな予感がしています。




作品1

タイトル：疾風
撮影地：宮城県奥新川渓谷（仙山線）
カメラ：キャノンEOS60D
シャッター優先：1/30
絞り：5.6
ISO感度：400
レンズ：タムロン18mm−270mm
ホワイトバランス：太陽光
ピクチャースタイル：スタンダード
コメント：鉄道写真を撮ると思ったときに一番初めにイメージに浮かんだのがこの写真でした。シャッター速度の加減が分らなくて、いろいろ試して何とか納得できた一枚です。列車のノーズにピントが合っている写真も撮れたのですが、この写真が気に入っています。






最初に撮った鉄道写真がこれとは、恐れいりました。
流し撮りは我々も多用する表現方法です。ただし成功例というのは列車がきちんと止まって写っているというのが条件となっています。しかしボクはその限りではなく、ブレていても躍動感や臨場感があればそれは作品として認めて良いと思っています。
こちらの作品は確かに先頭部は止まってはいませんが、その分列車のスピード感は出ていると思います。しかも手前に木々の葉っぱのブレを入れているため一層動きを感じられており、構図や狙いなどあらゆる意味で申し分ない作品だと思います。
















作品2


タイトル：花と強力
絞り優先AE：F11.0
露出補正：+1/3
ISO感度：200
レンズ：タムロン18-270ｍｍ
撮影場所：仙台市太白区（東北本線)
コメント：いつも通っている近所の踏み切りです。今までは何も気にしないで通っていたのですが、鉄道写真に興味を持ったとたん、このコスモスが撮って撮ってとアピールしているように見えたので、早速撮ってみました。客車の方が枚数も多いのですがこの金太郎が妙にコスモスと相性が良いように見えました。






逆光に輝くコスモスがとても印象的な作品ですね。列車をアウトフォーカスにしているところがとても憎く、その発想力と技術力も素晴らしいと思います。
ただしせっかくのコスモスなので、花がこちらを向いていた方が良かったのではないでしょうか？　この状況で花がこちらを向いていないのであれば逆サイドから後追い気味に撮影ということも考えられます。
より印象的にするのであれば花がこちらに向いた状況で撮った方が良かったと思います。







 





作品3


タイトル：家路
シャッター優先AE:1/10秒
露出補正：-1　1/3
ISO感度：3200
レンズ：タムロン10-18-ｍｍ
撮影場所：仙台市宮城野区（仙山線)
コメント：マンションの11階からの撮影です。列車の窓の明かりが民家を照らして走るところが、鉄道と沿線住民の絆のようなものを感じさせて見え ましたので撮影してみました。夕空のピンクが半分雲で黒くなってしまったのが残念でした。





夕暮れのとても良い雰囲気が出ている作品ですが、ちょっと時間帯が遅すぎましたね。もう15分くらい早い時間に撮影していればもっと明暗差が少なくて、より夕方の情緒を感じられたかも知れません。
あと空などにノイズが出ているので元の画像が結構露出アンダーだったのかも知れません。この点もやはり撮影時間が遅いのに起因していると思います。












 

総評

まだ鉄道は初心者だとおっしゃいます是空人さんですが、写真自体は風景を撮っていたせいか、その着眼点や技術力は相当なものをお持ちだと感じとれます。ただ風景写真と鉄道写真の決定的な違いは、いかに素晴らしい状況でもそのときに列車が走ってこなければ鉄道写真としては成立しないという点です。特に夜感撮影などではこの要素が非常に重要になってきます。
そのため列車の通過時間と周りの状況を考慮した上で撮影場所を決めなくてはなりません。 その辺が鉄道写真の難しいところですが、決まれば喜びも倍増です。
テクニックやノウハウは十分お持ちだと思いますので、それを応用してこれからももっと鉄道写真に邁進していって欲しいと思います。