阿部弘晃　氏の作品

千葉県に住んでいる事からほぼ毎月のように小湊鉄道を撮り続けています。

作品１

梅を絡めての写真で上手く撮れたためしがなかったのですが、今回の写真は
その中でも良く撮れた方だと自分では思いました。
しかし、眺めているうちにピントの位置はここで良かったのか、構図は等
色々疑問が沸いてきました。
ならば、プロに聞くのが良いと思い、思い切ってメールいたしました。

近年鉄道ファン以外にも人気が出てきている小湊鐵道。東京から近い場所にありながら昔ながらの風景が残るローカル線ですね。
こちらの作品では梅にピントを合わせ、列車はアウトフォーカスにしておられますね。この手法はイメージやスナップでも良く用いられ、とかく列車にピントを合わせがちなところ、ある意味新鮮な鉄道写真ということができます。
しかしアウトフォーカスを使うなら、もっと大胆に使いたいところです。メインの被写体である梅に、もっとグッと寄り、列車を今以上ボカした方が絵にメリハリがでます。

総評	写真を撮る際には、撮り手が何を表現したかったのか、見る側にストレートに伝えるように撮った方が良いでしょう。それゆえ被写体には、寄るなら寄る、離れるなら離れる、というようにメリハリをつける絵作りが大事です。そうでないと何を撮りたかったのか見る側には分からず、言い訳や補足が必要な写真になってしまいます。こちらの作品は主題と副題が対角線上にあり、構図などはこれでも全然良かったのですが、今一歩前進してもらうためにあえて辛口で評価させていただきました。撮り方から推測するに、かなりの表現手段をお持ちのように見受けられます。これからもどんどん感性の幅を広げられ、さらなる飛躍を期待しています。